今から400年ほどの昔、当地白石城下に鈴木味右ェ門という人がおりました。
味右ェ門の父は胃を病んで床に伏し何日も絶食しなければなりませんでした。味右ェ門は大変心配し、何か良い食餌療法はないかと八方手を尽くしていたところ、旅の僧から油を一切使わない麺の製法を教わりました。
さっそく、それを造り温めて父にすすめたところ、父は快方に向かい、やがて全快したということです。小麦粉を塩水でこねて造るため、舌ざわりがよく消化もよく胃にやさしいため回復を早めたのでしょう。
この親孝行の話が時の殿様に伝わり献上したところ、みちのくの人の温かい思いやりを賞で「温麺」と名付けられました。その後、近隣からも所望され製造販売するようになりました。
俳人芭蕉が奥の細道をたどった元禄年間の物語です。
|